2025年6月スタート!事業者に義務化される熱中症対策とシルバー人材センターの関係

※この記事は2025年5月に公開いたしました。
2025年6月から事業者に対して熱中症対策が「義務化」されることはご存じでしょうか?今までは努力義務であった熱中症対策が義務化され、違反すれば罰則の対象になる場合もあります。これは労働安全衛生規則の改正として、2025年6月1日から施行されます。
この改正は、企業や官公庁はもちろん、シルバー人材センターも関係してきます。
この記事では、今回の法改正の内容と、シルバー人材センターにおける対応の重要性、そして私たちジュトクがどのように皆さまをサポートできるのかをご紹介します。
目次:
1.熱中症対策義務化によって事業者に求められることとは
2.シルバー人材センターと今回の法改正の関係
3.どのような現場で注意が必要か?
4.ジュトクがおすすめする対策商品とその活用方法
5.まとめ
1.熱中症対策義務化によって事業者に求められることとは

厚生労働省は、熱中症による死亡災害の多発を踏まえた対策の強化として、2025年6月1日に改正労働安全衛生規則を施行します。
参考HP:https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf
上記HPによりますと、職場における熱中症による死亡災害の傾向として、
●死亡災害が2年連続で30人レベル
●熱中症は死亡災害に至る割合が、他の災害の約5~6倍
●死亡者の約7割は屋外作業であるため、気候変動の影響により更なる増加の懸念
と記載されています。
そして、早急な対策として「現場において死亡に至らせない(重篤化させない)ための適切な対策の実施が必要とされ、今回の改正が決定されました。
従来は努力義務であった熱中症対策が、この改正により「罰則付き義務化」となります。
罰則については「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性あり」とされています。
今までも「熱中症対策として空調ウェアを現場で導入したりしていた」という事業者は少なくないと思います。今回の改正において、どのような対策が必要になるのでしょうか?
まず、対象となるのは下記のような場合です。
「WGBT28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間以上の実施」が見込まれる作業の場合
※WGBTは暑さ指数のことです。
“暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。 暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。”
引用:https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
WGBT値(暑さ指数)は暑さ指数計を用いて計測することができます。上記記載のWGBT28度以上というのは現状警戒のレベルになり、31度以上となれば危険レベルになります。
ただ、上記のような場合が対象となるとはいえ、熱中症については今や誰がかかってもおかしくない状況です。
上記のような作業が発生することが予測される事業者には下記が義務付けられます。
(以下の参照元:https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf)
報告体制の整備
「熱中症の自覚症状がある作業者」や「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」がその旨を報告するための報告体制(連絡先や担当者)を整備する。
対応手順の作成
熱中症のおそれがある労働者を把握した際の緊急連絡先や作業離脱、身体冷却、医療機関への搬送等、重症化を防ぐための必要な措置の実施手順の作成をする。
関係者への周知
上記2つの項目について関係作業者へ周知すること。
上記3つの対策が必要となります。徐々に今回の改正への認知度は上がっていますが、皆さまはご存じでしたでしょうか?
義務化されたから、罰則付きだから、の理由だけでなく、昨今の気候変動を考えますと、熱中症対策は待ったなしの状況でもあり、すべての事業者に求められる内容ではないでしょうか。
2.シルバー人材センターと今回の法改正の関係

シルバー人材センターでは原則60歳以上の会員様が「請負」「委任」「派遣」などの形態で就業しています。
シルバー人材センターと会員様の関係は「雇用関係」ではなく、あくまで会員様は「個人事業主」となるため、今回の法改正の対象となる「事業者」にシルバー人材センターが該当するのかどうかという観点でいえば、対象とはならないと考えられます。
ただし会員様が「派遣」などで就業されている場合、派遣先の事業者は熱中症対策の実施が義務付けられます。
このように考えますと、会員様視点で立てば「熱中症対策は必要」となりますし、派遣先の事業者、つまりシルバー人材センター側から言えば「顧客」の視点で立てば「シルバー人材センターの会員が熱中症対策に対する知識を持っていただけていると、自社の対策を説明する際にやりやすい」ともなります。
つまり、今回の法改正の対象となる事業者が、シルバー人材センターとしては該当しないとしても、今回の法改正で求められる対策をシルバー人材センターで実施することは、センター・会員・顧客において、三方よし、となるのではないでしょうか。
3.どのような現場で注意が必要か?

シルバー人材センターの会員様が就業する現場のうち、熱中症リスクが高い業務としては以下が挙げられます。
先ほどもご紹介しましたが、熱中症対策を考える上で、WGBT値(暑さ指数)を把握することが大切です。気温だけでなく、湿度なども関係してくる指数となりますので、それらも加味して考えてみました。
●屋外での除草・剪定作業
●屋外での清掃作業
●屋外での交通整理
●屋内でも気温が上がりやすい倉庫での作業
●屋内でも気温が上がりやすい厨房での作業
●屋根の下でも湿度が上がりやすい駐輪場での整理作業
●介護施設などでの送迎や介護補助
他にも、皆さまそれぞれにおける就業状況を考えてリストアップされることをおすすめします。
高齢になると体温調節機能が低下し、若年層以上に熱中症リスクが高まると言われています。ですので、企業や官公庁など以上に、シルバー人材センターにおける熱中症対策の実施は重要です。
※下記記事もぜひお読みください。
シルバー人材センター会員様向け熱中症対策品のご紹介
4.ジュトクがおすすめする対策商品とその活用方法

ジュトクでは空調ウェアやクールアイテムはじめ、シルバー人材センター会員様の熱中症対策に活用いただける商品をご紹介しております。
ただ、こちらではシルバー人材センター職員様の視点にたち、「熱中症対策の実施」を行う上で活用いただける対策商品、そしてその活用方法をご紹介させていただきます。
前述いたしました「今回の法改正で事業者に求められる3つの対策」ごとにご紹介してまいります。
「報告体制の整備」で活用いただける商品
おすすめする商品
●フルカラーワッペン
https://silverjinzai.com/products/safe-employment-emblem/
オリジナルデザインで制作できるワッペンです。このワッペンを活用し、会員様に熱中症のおそれがある人を見つけたときの連絡先を伝える、という施策はいかがでしょうか?
スローガン部分に「熱中症に気を付けよう!何かあったらセンターへ」などという文章を記入、そしてワッペンにセンターの電話番号、センターの担当者も記入するとよいですね。作業中にはこのワッペンを必ず身に着けるようにしていただくことで「報告体制」が確立できます。

「対応手順の作成」で活用いただける商品
おすすめする商品
●反射材ワッペン
https://silverjinzai.com/products/reflective-patch/
安全就業の啓発のために使用いただくことが多い反射材ワッペンです。このワッペンは裏側に情報を記載することが出来ます。裏面に会員様の救急医療情報を記入し、作業時は着用することを手順に組み込むことはいかがでしょうか?いざというとき、医療機関への搬送となるかと思いますが、救急隊の方が会員様の医療情報を把握することができれば、その後の措置に活かしていただくこともできるのではないでしょうか。

「関係者への周知」で活用いただける商品
●極冷クールタオル
https://silverjinzai.com/products/extremely-cold-cool-towel/
●瞬間冷却パック
https://silverjinzai.com/products/instant-cooling-pack/
クールアイテムを会員様に配布して熱中症対策を周知。また、この商品にはジュトクで作成した「熱中症対処方法のチラシ」が入っています。会員様にこのチラシを読んでもらうことで熱中症対策への理解度をあげることが出来ます。このチラシの内容の一部を「熱中症対策手順」に盛り込むこともよいですね。

もちろん空調ウェアなどもご紹介できますので、お気軽にお問合せください。
お問い合わせはこちらまで。
5.まとめ
2025年6月1日に施行される「事業者に対する熱中症対策の義務化」について、そしてシルバー人材センターでの対応についてご紹介してまいりました。
この義務化に伴い、企業などでは対応が加速していくと考えられます。しかし熱中症対策はすべての関係者にとって待ったなしの課題です。
特に高齢の方が関わるシルバー人材センターにおいても必須です。
職員様、そして会員同士におけるお互いの配慮、また具体的な対策の実施、それが「命を守る鍵」となります。
ジュトクではシルバー人材センターの皆様とともに、安全で働きやすい環境づくりをサポートしてまいります。
「地域社会を元気にしたい」
地域を支えるシルバー人材センター様の活動を応援させていただくことで、その願いを実現していきたいと考えております。
ぜひ皆さまの活動におけるお困りごと、ご相談いただければと思います。
お問い合わせはこちらまで。