インスタ活用で会員数アップ?ーシルバー人材センターでのInstagram成功事例をデータで検証ー

シルバー人材センターにおけるSNS活用はどのような状況になっているのだろう、そのような疑問から、過去2回、記事を作成してきました。

第1弾:2025年3月公開
シルバー人材センターでのInstagram活用調査 〜全国の運用事例と成功の秘訣〜

第2弾:2025年10月公開
シルバー人材センターでのSNS活用方法とは?~Facebookがいい?Instagramがいい?~

今回は上記に続く第3弾として、「実際、Instagramを活用しているシルバー人材センター様と、活用していないセンター様で、会員数増減の差は出ているのだろうか」という疑問をもとに、各種データを集め、分析し、ジュトクなりの結論を出してみました。ぜひこの記事を読み進めていただき、結論をご確認ください。
また、Instagramを活用しているシルバー人材センター様の成功事例をデータからも導き出すことができました。そちらも記事後半でご紹介いたします。
※この記事は2025年9月30日時点の情報を基に作成しております。ご了承ください。

目次:
1.シルバー人材センターがInstagramを始めた時期はいつが多い?
2.シルバー人材センターのInstagramフォロワーは何人くらい?投稿数はどのくらい?
3.インスタを活用して会員数はどうなった?
4.積極的にインスタを使用!会員数も伸ばしたシルバー人材センター
5.ぜひ真似をしたい!学びたい!2つのシルバー人材センターインスタ!
6.まとめ

1.シルバー人材センターがInstagramを始めた時期はいつが多い?

2025年9月30日時点で、シルバー人材センターおよび各都道府県のシルバー人材センター連合会で、Instagramを公式アカウントとして使用している数は129です(ジュトク調べ)。
これらはいつくらいに開設(投稿を開始)されたのか、調査してみました。
それぞれのアカウントを拝見し、最初の投稿された日を「Instagram開設日」としてカウントいたしました。

結果、このようになりました。(一部開設日が判断できないアカウントもありましたので、それらは除きました)

開設年開設数
2018年2アカウント
2019年4アカウント
2020年4アカウント
2021年17アカウント
2022年31アカウント
2023年29アカウント
2024年29アカウント
2025年12アカウント

Instagramは日本においては、2014年にリリースされたのが最初です。最初はSNSとしてではなく写真加工アプリとしての使用が主でした。その後、SNSとしての活用が中心となり、2017年には「インスタ映え」が流行語大賞を獲得しています。2019年にはショッピング機能なども導入され、ビジネス面での活用も加速していきます。
今では、若い人だけでなく、幅広い世代で活用されているSNSとなります。

シルバー人材センターにおいては、早い所では2018年から使用され始めています。
ちなみに、ジュトク調査で分かった範囲では、2018年5月11日に投稿を開始した、草加市シルバー人材センター様が最初、と認識しております。
(現在アカウントが停止されている、などのセンター様があった場合は確認ができておりませんので、もっと早くから開始されていらっしゃるセンター様もあったかもしれません。ご了承ください)

その後、大きなきっかけとなったのは、やはり2020年から数年続いたコロナ禍だったのではと考えられます。
2021年に急増し、そこから多くのセンター様がInstagramを活用して、自センターの情報を積極的に発信されるようになっていきました。

上記の表をグラフにすると、下記のようになります。

2021年・2022年・2023年の3年間で、89のアカウントが開設されました。現在運営されているアカウントの約7割がこの時期に始まっています。

ではシルバー人材センターのInstagramアカウントはどのくらい活用されているのでしょうか?

2.シルバー人材センターのInstagramフォロワーは何人くらい?投稿数はどのくらい?

Instagramフォロワーが何百万人!このような言葉、時々聞きますよね。いわゆるインフルエンサーという人たちです。
ただ、このようなフォロワー数を得ている人、アカウントはごくわずかです。

「フォロワー数」だけがInstagramの成果を見る指標ではありませんが、どのくらいのフォロワーがいるのか、ここはとても気になる部分です。

2025年9月30日時点で確認ができた、シルバー人材センター様のInstagramアカウント、それぞれのフォロワー数を調査しました。

このような結果でした。

■平均フォロワー数:約271人

そして一番多いフォロワーを獲得しているアカウントですが、
飯塚市シルバー人材センター様のアカウントでした。
(2025年9月30日確認時:フォロワー数1028)

また、フォロワーを得るためには、当たり前ですが、Instagramへの「投稿」が必要です。この投稿数についても、全アカウントを調査いたしました。(ストーリーズなどは含めておりません。プロフィールページで確認できる投稿本数から判断しております)

このような結果でした。

■平均投稿本数:100本

そして一番多い投稿をしているアカウントですが、
秦野市シルバー人材センター様のアカウントでした。
(2025年9月30日確認時:投稿本数1033)

その他、調査した内容も含め、表にしてみました。
(2025年9月30日時点:合計129アカウントをジュトクで調査)

項目数値備考
平均フォロワー数約271人
フォロワー数平均以上のアカウント数49アカウント
フォロワー数最高数1028人飯塚市シルバー人材センター(2025年9月30日時点)
平均投稿本数100本
投稿本数平均以上のアカウント数36アカウント
投稿本数最高数1013本秦野市シルバー人材センター(2025年9月30日時点)
投稿間隔平均日数7.77日

上記表の最後に「投稿間隔平均日数」という項目があります。これは投稿と投稿の間が、どれくらいの日数なのか(日が空いているか)という指標になります。
平均として7.77日、つまり1週間に1度投稿する、くらいが平均の投稿頻度になっています。
ただ、これは平均となりますので、「アカウントは開設してあるが、投稿があまりしていない」数値に引っ張られます。
後ほど触れていきますが、2日に1回、又は毎日、など、投稿間隔を短くして、積極的な情報発信をしているアカウント、センター様も多くいらっしゃいます。

全国に1300以上のシルバー人材センターにおいて、Instagramを運営しているのは1割もありません。
様々な理由があるとは考えられますが、Instagramを活用し、何か目に見える結果は出ているのでしょうか?
それぞれのセンター様によって違いはあると思いますが、この記事では全体におけるデータの上で、調査をしてみました。

3.インスタを活用して会員数はどうなった?

Instagramの活用は広報活動の一環とも言えます。広報活動の目的は、シルバー人材センターの存在感を地域において上げていくこと。新たな会員を獲得すること。新たな仕事を得ること、など多岐に渡ります。

Instagramを活用し、目に見える結果が出たのかどうか、その判断は難しいです。しかし、何らかの指標があった方がいいのではと考え、公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会様が公開されている各種データと向き合い、1つの「結果」を発見いたしました。

それは会員増減数における結果です。

残念ながら、ここ数年、シルバー人材センターの会員数は減少を続けています。
下記の表にまとめます。

■シルバー人材センター会員数変遷

年度会員数前年増減率
令和6年度(2024年度)673,942名▲0.42%
令和5年度(2023年度)676,756名▲0.73%
令和4年度(2022年度)681,739名▲0.72%
令和3年度(2021年度)686,651名▲1.68%
令和2年度(2020年度)698,419名▲2.40%
令和元年度(2019年度)715,558名0.27%

コロナが始まった2020年度以降、前年比マイナスが続いています。
(ただ、令和6年度の前年増減率は、その前よりも改善されており、良い兆しが出てきています)

では、Instagramを活用されているシルバー人材センター様の会員数はどのような状況なのでしょうか。
アカウントを持っている全129のうち、「連合会」「まだインスタを始めたばかりのセンター」「インスタ開設日が不明瞭」の23のアカウントを除いた、106のアカウントを対象として調査しました。

比較として、
それぞれのセンターの「Instagramを始めた日の前年度の会員数(A)」と、「令和6年度(2024年度)の会員数」を使用し、会員増減数を算出しました。

結果このようになりました。

■対象106センターの会員数増減数

インスタ活用前の会員数(A)合計令和6年度(2024年度)の会員数合計増減数増減率
80,951人80,929人▲22人▲0.03%

■対象106センターの内訳

会員数が増えたセンター58
会員数が減ったセンター48

Instagramを活用しているセンターでも、合計すると会員数はマイナスとなっています。
ただ、シルバー人材センター全体の会員増減率と比較をすると、そこに差があることがわかりました。

今回、シルバー人材センター全体の会員増減率と比較を行ううえで、シルバー人材センターでInstagramアカウントが一番多く開設した2022年度を起点することにしました。

このような形で計算できます。

年度会員数増減率(2024-2022)
令和6年度(2024年度)673,942名▲1.14%
令和4年度(2022年度)681,739名※起点

こちらを使用し、シルバー人材センター全体とInstagram活用した106センターとの増減率を比較します。

増減率
シルバー人材センター全体▲1.14%
Instagram活用した106センター▲0.03%

このような差が見られました。
いかがでしょうか。

会員数の増減というのは、新たな会員の獲得だけではなく、現在会員の退会も関係してきますので、一概にInstagramの効果だけの結果である、とは言えないかもしれません。様々な取り組みがあってとのことだと思います。

ただ、Instagramにおいて活発な活動をされていて、会員数も増やしていらっしゃるセンター様もおられるのは事実です。
次のパートでは、「データ上」で判断できた、それらのセンター様の一部をご紹介させていただきます。

4.積極的にインスタを使用!会員数も伸ばしたシルバー人材センター

現在Instagramを活用しているシルバー人材センター様のアカウントの成果が「成功」かを判断するために、こちらでは数値だけで判別していくことにしました。

指標とした項目・数値は下記の3つです。(すべて、前述で説明させていただいた内容になります)
●フォロワー数が、平均数の271人を超えている
●投稿本数が、平均数の100本を超えている
●Instagram開設前と、令和6年度を比較して、会員数が増えている

この3つの項目をクリアしているセンター様は10センターございました。
具体的な数値と共にご紹介します。
※2025年9月30日時点でチェックした数値になりますのでご了承ください。

センター名開始時期フォロワー数投稿本数会員増減率
色麻町シルバー人材センター2020年10月721人475本24.07%
座間市シルバー人材センター2022年6月340人207本1.80%
蒲郡市シルバー人材センター2021年12月489人291本34.16%
高浜市シルバー人材センター2021年10月515人346本2.59%
高石市シルバー人材センター2022年10月488人296本16.15%
飯塚市シルバー人材センター2023年5月1028人535本11.94%
太宰府市シルバー人材センター2023年7月360人125本3.80%
うるま市シルバー人材センター2022年8月453人162本5.05%
仙台市シルバー人材センター2022年9月358人414本7.50%
寝屋川市シルバー人材センター2023年1月574人111本1.06%

上記のセンター様の特徴は、投稿本数の多さもありますが、投稿と投稿の間隔が短い、つまり、頻繁に投稿されている、という部分がありました。
この「頻繁に投稿する」という部分、一番難しいところでもあります。
投稿の豊富なアイディア、写真撮影・編集のセンス、などが求められ、「私たちには難しい」とあきらめてしまう理由にもなります。

しかし、本当にそうでしょうか?実は「やり方」を決めることで、実は投稿のハードルは下がってきます。
このあたり、とても上手にInstagramを運営されているセンター様がいらっしゃいますので、次のパートでご紹介していきます。

5.ぜひ真似をしたい!学びたい!2つのシルバー人材センターインスタ!

こちらでは、筆者がシルバー人材センター様のInstagramアカウントを毎日チェックさせていただき、かつ、ジュトクのInstagramアカウントを運用していく上で、「ぜひ真似をしたい!」「学びたい!」と感じた、2つのシルバー人材センター様のアカウントを紹介させていただきます。

そのセンター様は、
●蒲郡市シルバー人材センター様

●飯塚市シルバー人材センター様
です!

蒲郡市シルバー人材センター様のInstagram

Instagramのページはこちらです。

「会員さんの写真」「イベント案内」「野菜紹介」「カフェ紹介」など、投稿内容が多彩。写真の色味も鮮やかで、<楽しいシルバー人材センター>というイメージが伝わってきます。
とくに会員さんたちのお写真は素敵です。バストアップ中心に撮影されているように感じます。どうしても広角で写真を撮りがちになりますが、やはり大切なのは会員さんの表情なのだな、と蒲郡市シルバー人材センター様の投稿を見ていると感じます。
また、イベントのチラシを上手に投稿に組み込まれていらっしゃいます。彩りも鮮やかになりますし、おそらくは別用で作ったデータを流用されているのではと思いますので、投稿の効率という意味でも効果的ではないでしょうか。

カフェは「カフェ ガシル」を運営されていて、こちらのアカウントも楽しげで見ていて飽きません。働いている方々のいきいきとした様子が伝わってきます。
カフェ ガシルのInstagramのページはこちらです。

蒲郡市シルバー人材センター様の投稿の特徴を私なりにまとめますと、
●会員さんの表情を映した投稿が素敵
●カフェ ガシル情報の投稿が投稿数アップにも役立っているし、見ている人にとっても有意義な情報
●イベントチラシなどの活用が効果的

となります。

●飯塚市シルバー人材センター様のInstagram

Instagramのページはこちらです。

更新頻度は非常に高く、気づけば、飯塚市シルバー人材センター様の投稿を目にしています。「休憩処とまり木」「高校生とのコラボ」「イベント」など中心となるコンテンツも多く、目的を持ちながら、投稿頻度を高めるための取組をされているのだろうな、と感じます。また、動画編集のセンスもとてもよく、大変参考になります。
私がとくに感動する部分が、飯塚高校様とのコラボレーションです。Instagramに限ったことではなく、センターの活動として地域の高校生と一緒に行っていると思われますが、この様子が大変いきいきと伝わってきます。飯塚市シルバー人材センター様のInstagramのフォロワー数が一番多い理由はこのあたりにあるのだろうな、と思います。
若年層にもフォローされているアカウントなのではないでしょうか。

「休憩処とまり木」のInstagramのページはこちらです。
センターのInstagramとある程度、協調し、同様のコンテンツを投稿していると感じられます。また、おいしそうなお料理やドリンクなどの写真も豊富で、地域の方が「行きたい」と思うことが出来る、そのようなアカウントになっていると思います。

飯塚市シルバー人材センター様の投稿の特徴を私なりにまとめますと、
●投稿するコンテンツはよく考えられていて、センスだけではない企画力を感じる
●非常にSNS的な、良いデザイン・見せ方で展開されている
●地元とのコラボレーション感があり、きっと地域の方は見ていて楽しいアカウント
となります。

きっと両センター様とも、Instagramご担当者様はいろいろ苦労されていらっしゃるのだろうなとは思います。
でも、きっと「センスじゃないよ、皆で方向性を考えて、やり方さえ決めていけば、どんなセンターでも同じようにできるよ」と思っていらっしゃるのではないかな、と私は勝手に思っています(笑)。

大切なことは、続けること、です。そして、Instagramを見てくれる人、届けたい方が、喜んでくれる情報を届け続けることです。
この積み重ねが、成功につながる唯一の道なのだろうな、と、ジュトクのInstagramを運営している私は思っています。自分に言い聞かせて、自分を奮い立たせています(笑)。

6.まとめ

シルバー人材センターにおけるSNSの研究記事の第三弾として、Instagramを活用することでどのような結果が出ているのかを調査してみました。
結果、「会員数増減率」という部分で、良い結果が確実に出ていることが分かりました。

情報発信方法は多様化し、「どうすれば届けたい情報が届けたい人に届くのか」と悩むことが増えています。
そのような中、SNSの活用は「やれたらやってみる」ものではなく、「ぜひやるべきもの」となっています。
私たちジュトクも、SNSの活用を通じて、シルバー人材センター様のお役に立つことが出来ればと考えています。
ぜひ一緒に、SNSの活用を考えてみませんか?

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