
シルバー人材センターは、地域の60歳以上の皆様に就業機会を提供し、社会貢献や生きがいづくりを支援する重要な存在です。近年、デジタル技術の進化とともに、シルバー人材センターも広報活動の手法を変化させています。特に、SNSの活用は注目されており、なかでもInstagramを運用するセンターが増えつつあります。
今回の記事では、全国のシルバー人材センターにおけるInstagram活用状況を調査し、どの地域が活用しているのかを紹介するとともに、成功事例や運用のポイントについて解説します。これからInstagramを活用したいと考えているシルバー人材センターの職員、会員の皆様にとって有用な情報となれればと考えております。
※この記事は2025年3月時点の状況を調査し、作成しております。
目次:
1.Instagramとは?他のSNSとの違いとは?
2.全国のシルバー人材センターでのInstagram活用状況
3シルバー人材センターでのInstagram活用のメリット
4.Instagram運用のポイント
5.今後のInstagram活用の可能性
6.まとめ
1.Instagramとは?他のSNSとの違いとは?

SNSとは?
まず、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)について記載していきます。この言葉自体は一般に多く使われるようになりました。SNSは、インターネット上で人と人がつながり、情報を共有することができるオンラインサービスの総称です。使用している人たちは、テキスト、画像、動画などを投稿したり、他の方とコミュニケーションを取ることができたりします。
SNSは個人同士の交流だけでなく、企業や団体の情報発信、マーケティングツールとしても活用されています。スマートフォンの普及によって、年齢層問わず、多くの人が日常的に利用されています。
SNSには多くのサービスがあります。主なSNSとしては
・Facebook
・X(旧Twitter)
・Line
・Instagram
・TikTok
などがあります。
Instagramとは?
本記事のテーマとして取り上げているSNSのひとつ「Instagram」とは、どのようなSNSなのか考えていきます。
●写真・動画を中心としたSNS
Instagramは、写真や動画を投稿し、視覚的なコミュニケーションを重視したSNSです。シンプルな操作性と、おしゃれなフィルター機能が特徴で、特に若年層に人気があります。
●Instagramの主な機能
・投稿(フィード):写真や動画を投稿し、フォロワーに共有
・ストーリーズ:24時間で消える短い動画や写真を投稿
・リール:短尺動画(15〜60秒)を作成・投稿
・ライブ配信:リアルタイムで視聴者と交流可能
・ハッシュタグ:関連性の高い投稿を探しやすくする機能
●Instagram活用のポイント
・活動写真の投稿:イベントや作業の様子をビジュアルで伝える
・ストーリーズで日々の活動をシェア:シルバー世代の魅力を気軽に発信
・リールで短い動画を活用:簡単な作業紹介やメンバーのインタビューを配信
では、Instagramは他のSNSとどのような違いがあるのでしょうか?
他のSNSとの違い
主なSNSの特徴・強み・活用方法をまとめてみました。
SNS | 主な特徴 | 強み | 活用方法 |
写真・動画中心 | 視覚的に伝わりやすい | 活動報告やイベント紹介 | |
X(旧Twitter) | 短文投稿 | リアルタイム性が高い | 最新情報や告知の発信 |
文章+写真・動画 | 詳細な情報発信が可能 | 会員向けの情報共有や交流 | |
LINE | チャット・グループ機能 | 個別連絡やグループ運営に便利 | 会員との連絡やイベント案内 |
ではInstagramと上記他SNSとの違いを考えてみます。
●X(旧Twitter)との違い
Xは短文投稿がメインで、情報の即時性が高いのが特徴です。一方、Instagramは写真や動画が中心で、投稿の鮮度よりも「見せ方」が重要になります。
●Facebookとの違い
Facebookは文章を交えた投稿が可能で、イベント作成やグループ機能が充実しています。Instagramは視覚的なアプローチが得意なため、組み合わせて活用すると効果的です。
●LINEとの違い
LINEは個別・グループでの連絡が主な用途です。シルバー人材センターの会員との連絡やイベント案内にはLINEが適していますが、広報にはInstagramの方が向いています。
SNSにはそれぞれ特徴があり、強みも異なります。複数のSNSを組み合わせて展開することがおすすめですが、運営側の負担も大きくなります。
まずは活用の目的を明確化することで、その目的にあったSNSを選ぶことが重要です。
では、全国のシルバー人材センターにおいて、Instagramはどのくらい使用されているのでしょうか。次の項目でご紹介していきます。
2.全国のシルバー人材センターでのInstagram活用状況

筆者も個人としてInstagramのアカウントを持っており、プライベートで活用しております。シルバー人材センター様の活動内容の理解を深めるため、全国各地のシルバー人材センター様のInstagram投稿を拝見しておりました。その中で「一体、どのくらいの数のセンター様がInstagramのアカウントを持っていらっしゃるのだろうか」と考えました。そして今回、筆者調べではございますが、全国のシルバー人材センターにおけるInstagram活用状況を調査させていただきました。
早速ですが結果です!
<2025年3月時点:筆者調べ>
全国のシルバー人材センター数(都道府県の連合会も含みます)…1354
Instagramアカウント保有センター数…120
保有割合:8.86%
このような結果でした。
個人的な感想としては、思っていたより少ないな、と感じました。
ただ、Instagramアカウント保有の状況は都道府県によって大きな差がありました。
都道府県によってセンター数が異なるため、「該当の都道府県でアカウントを保有しているセンターの数」での比較ではなく、「該当の都道府県でアカウントを保有しているセンターの全体においての割合」で比較をしてみました。
Instagramアカウント開設の割合を都道府県別にグラフにしたものが下記です。

47都道府県のうち、アカウントを開設しているセンターが1つ以上あるところは36都道府県でした。ですので、11都道府県についてはInstagramアカウントを開設しているセンターがない、ということになります。
<Instagramアカウント開設割合ランキング ベスト10>
順位 | 都道府県 | Instagramアカウント開設割合 |
1位 | 宮崎県 | 38.10% |
2位 | 広島県 | 36.36% |
3位 | 愛知県 | 32.73% |
4位 | 福岡県 | 25.58% |
5位 | 宮城県 | 22.86% |
6位 | 石川県 | 15.79% |
7位 | 神奈川県 | 15.15% |
8位 | 京都府 | 13.64% |
9位 | 福井県 | 12.50% |
10位 | 大阪府 | 12.20% |
このランキング表からは、たとえば「関東地区ではInstagram開設割合が高い」など、地域性を見出すことはできませんでした。今回の調査結果を分かりやすく見るために、日本地図上に落とし込んでみました。

地図上の色が濃くなっている都道府県が、シルバー人材センターInstagramアカウント開設割合が高いところになります。地域による差ではなく、都道府県による差が出ている、という結果が分かります。
開設割合が高い都道府県は、どのような理由でそうなったのでしょうか?現時点で筆者には答えはありません。ぜひ該当の都道府県のセンター様にインタビューさせていただければと考えております。
これは筆者の予想となりますが、各都道府県の連合会による主導、もしくは先行して成功事例を作ったセンターがあり、そのセンターに倣い、該当都道府県内の各センターがInstagramを開設された、などが理由になるのではないでしょうか。
3.シルバー人材センターでのInstagram活用のメリット

シルバー人材センターがInstagramを活用する目的としては、以下のような点が挙げられます。
●広報活動(シルバー人材センターの取り組みを地域住民に知ってもらう)
●会員募集(若い世代にも魅力を伝え、新規会員の獲得を目指す)
●地域との交流促進(Instagramを通じて地域住民や他の団体とつながる)
では、Instagramを活用するとどのようなメリットが考えられるでしょうか。
若い世代や地域住民への認知向上
Instagramは若年層からシニア層まで幅広く利用されており、写真や動画を通じてセンターの活動を伝えられます。特に、孫世代や地域住民が「シルバー人材センターってこんなことをしているんだ!」と興味を持つきっかけになります。
【参考】
「Instagram」の利用率は、全年代で一貫して増加しており、「LINE」に次ぐ利用率。
令和4年度 主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率(全年代・年代別)
■Instagram
全年代(N=1500) 50.1%
※年代別利用率
10代(N=140)70.0%
20代(N=217) 73.3%
30代(N=245) 63.7%
40代(N=319) 48.6%
50代(N=307) 40.7%
60代(N=272) 21.3%
※性別利用率
男性(N=760) 41.4%
女性(N=740) 58.9%
引用:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 令和5年6月総務省情報通信政策研究所/12ページ
https://www.soumu.go.jp/main_content/000887659.pdf
活動の魅力を視覚的に伝えられる
テキスト中心の広報よりも、実際の活動の様子を写真や動画で伝えることで、より親しみやすくなります。作業風景やイベントの様子を投稿することで、活動の魅力をリアルに発信できます。
筆者チョイスとなりますが、ジュトク本社がある愛知県東三河にある新城市シルバー人材センター様のInstagramをご紹介させてください。
https://www.instagram.com/shinshiro_sjc
独自事業として「しめ縄・わらぞうり」作りを行っていらっしゃいます。
Instagramの特徴の一つである「動画」を上手に活用し、作業の様子を紹介されています。しめ縄などの材料するために、稲の「青刈り」を行いますが、その様子を早回し動画+アニメーションを活用して、コミカルにそして分かりやすくご紹介されていらっしゃいます。
会社において情報発信を担当している筆者としても、参考とさせていただいております。
会員募集やイベント告知の強化
Instagramのストーリーズ機能や投稿機能を活用し、新規会員募集の情報やイベント告知を効果的に行うことができます。また、コメント欄を活用することで、直接質問に答えることも可能です。
【参考】
Instagramのストーリーズとは?
動画や写真をフルスクリーンでスライドショーのように表示できる機能です。
投稿後24時間で自動的に消えるため、気軽に日常を投稿できるという利点、またフォロワーに「今だけ見ることが出来る」高揚感も与えることが出来ます。テキストやスタンプで簡単に加工できるのも活用しやすい点になります。
以上は一例となりますが、このようにInstagram活用のメリットはたくさんあります。まだInstagramアカウントを開設していないシルバー人材センター様は、開設を検討してみてはいかがでしょうか?
4.Instagram運用のポイント

ここまで読んでいただき、「よし!Instagramを始めてみよう!」と決心されたシルバー人材センター様、Instagramを運用するうえでのポイント、知りたいですよね。Instagram運用のポイントをご紹介します。
まず、活用に成功しているInstagramアカウントにはどのような特徴があるのかを考えていきます。
<活用に成功しているInstagramアカウント特徴>
●定期的に投稿を行っている(週に1〜2回以上)
●写真や動画のクオリティが高い(明るく、わかりやすい内容)
●地域のイベントや仕事の様子をリアルタイムで発信している
次に、シルバー人材センターのInstagram投稿の中でどのような記事が人気なのかを考えます。
<人気の投稿内容>
●会員の方が元気に働く姿の写真(例:「公園の清掃を行いました!」)
●イベントの告知やレポート(例:「〇〇フェスティバルにおいて会員でダンスを披露しました!」)
●地域とのコラボ企画(例:「地元の高校生と一緒に花壇を整備しました!」)
また、エンゲージメントが高い投稿の例も考えてみましょう。「いいね!」やコメントが多く寄せられる投稿の傾向としては、以下のようなものがあります。
<好印象を与える投稿内容>
●会員の方のインタビュー動画
●会員の方の手作り作品の紹介
●季節ごとの活動の紹介
上記を意識しながら、Instagram運営のポイントを挙げていきます。
投稿の工夫
・掲載する写真は明るく、シンプルに、を意識しましょう。笑顔や作業風景を中心に撮影するのもよいでしょう。
・写真と共に掲載する文章(キャプション)は親しみやすいコメントにしましょう。たとえば、今朝も元気に公園をきれいにしていきます!など。
・ハッシュタグを活用しましょう。投稿の概要覧に、#シニアの活躍 #地域貢献 など 活動に関係するようなワードを記入しましょう。
【参考】
ハッシュタグ(#)とは?
SNSやWeb上で特定の話題を分類・検索しやすくするためのキーワードです。投稿にタグをつけることで、共通の関心を持つユーザー同士が情報を簡単に見つけられるようになります。言葉の前に、ハッシュマーク(#)を入れて作成します。#は、パソコンの場合、半角が表示できる状態で「SHIFT」+「3」を入力すると表示できます。
定期的な更新の重要性を意識する
最低でも週に1回は投稿し、フォロワーとの接点を維持することが重要です。シルバー人材センターの職員様は多くの業務を抱えており、SNS運用を継続的に行うことが難しいという声もお聞きします。ここは一人では担当せず、複数による分担制、当番制を考える、もしくは会員様に声をかけ、Instagram運用を担ってもらうこともよいかもしれません。ここで重要なことは、チームワークです。バラバラなイメージの投稿にならないよう、Instagramにおける発信の方向性を共有しておきましょう。
フォロワーとの交流を大切にする
いただいたコメントにはできるだけ返信しましょう。ときには厳しいコメントが入ることもあるかもしれません。個人としての対応ではなく、組織としての対応を意識しましょう。またストーリーズのアンケート機能を使って、日々の活動についての意見を募ることもよいかもしれません。地域におけるシルバー人材センターの印象がどのようになっているのを知るいい機会にもなります。
他のSNSとの連携
FacebookやLINEと連携することで、より多くの人に情報を届けられます。会員様とのコミュニケーションツールとしてLINEを使用されているセンターは多いです。LINEのグループ投稿で、Instagramでの投稿内容を紹介していくと、会員様が知らなかった他就業の様子、イベントの様子などを知っていただくこともできますね。
参考にしていただけましたでしょうか。Instagramのアカウントは簡単に開設することができます。しかし大切なのは、開設後、どのように運用していくか、になります。日々の積み重ねが、将来につながっていきます。Instagramチャレンジしてみませんか?
5.今後のInstagram活用の可能性

最後に、今後のInstagram活用の可能性を考えていきます。
現在の60代はスマートフォン含め、デジタル機器の活用に慣れている方がほとんどです。また、70代においても、前述した資料によると、機器別の利用率については「スマートフォン」の利用率が最も高いという結果が出ています。
引用:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 令和5年6月総務省情報通信政策研究所/17ページ
https://www.soumu.go.jp/main_content/000887659.pdf
シルバー人材センター会員の平均年齢70代においてもスマートフォンの使用には慣れている、そして、スマートフォンひとつあれば発信できるのがInstagram。
ということは、Instagramを活用することで、以下のような新たな可能性が生まれます。
●シルバー世代(会員様)自身が情報発信者となる
●シルバー世代(会員様)が地域の若者とコラボレーションし、交流の場を増やす=Instagramを通して世代間の交流を図る
●シルバー世代(会員様)からの発信力を高め、企業や自治体と連携し、新しい仕事やボランティア活動を広める
デジタル化、そしてSNSの普及により、誰もが発信者、クリエイターになることができる時代です。地域に向けて、そして日本中に向けて、自分たちの活動を発信していきましょう。
6.まとめ
シルバー人材センターにおけるInstagram活用調査を行い、今後の活用案をご紹介してまいりました。
シルバー人材センターにおけるInstagram活用は、地域とのつながりを強め、会員募集や広報活動を充実させるための有力なツールです。
特に、写真や動画を活用することで、シルバー世代の活躍を視覚的に伝えられ、フォロワーとの交流も深められます。ぜひInstagram開設にチャレンジしてみてください。地域に根ざした活動を広げていかれることを私たちも応援しております。
これからInstagramを始めたいシルバー人材センターの方々は、ぜひ本記事を参考に運用を進めてみてください!
●広報誌作成のお手伝いいたします!
今回はInstagram活用方法をご紹介いたしました。SNSでの活動は、広報活動の一環となります。
シルバー人材センター様では会員様に向けた会報誌、地域の皆様に向けた広報誌など、多くの媒体を通して広報活動を実施されていらっしゃいます。会報誌、広報誌などでは、記事の作成、編集、デザインなど多くの時間がかかります。ご自分たちで製作している、地域の印刷会社・デザイン会社に任せている、様々な状況かと思います。
シルバー人材センター様でご活用いただける安全用品などを長年ご提供してまいりましたジュトクですが、このたび、シルバー人材センター様の広報誌作成支援サービスを開始いたしました。詳細はこちらからご覧いただけます。ぜひご参考にしてください。
「地域社会を元気にしたい」
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